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医療・介護

介護保険を用いた福祉用具|レンタルで利用できる意外と知られていない福祉用具について

要介護認定を受けている方が利用できる福祉用具ですが、カタログを読んでいると「これも福祉用具レンタルできるんですね!」と言われる福祉用具があります。
今回は、そんな「意外と知られていない福祉用具」について紹介します。
知っているだけで利用者さんの在宅生活を支えることができることがあるため、是非とも読んでみてください。

移乗用具

ベッドや車いす間の移乗は介助者にとって身体的負担が生じるため、移乗用具を用いることによってそれを軽減させることができます。

しかし、その移乗用具が福祉用具レンタルできるとは案外知られていません。

一割負担の方であれば数百円で福祉用具レンタルすることができるため、介助に困難を感じている利用者さん家族がいたら、ぜひ試してみてください。

介護保険を用いた福祉用具|移乗用具

*筆者が所属する株式会社PLASTの福祉用具貸与事業所フィジオデザインのレンタルカタログより(以下の画像も全て同カタログより)

  

  

ポジショニングクッションやスライディングシート

寝たきり状態にある利用者さんの拘縮予防や介助量軽減に必要なこれらの福祉用具も、福祉用具レンタルの対象になっています。

福祉用具レンタルできることを知らずに自宅にあるタオルやぬいぐるみを活用している利用者さんを見かけることは少なくなく、利用者さんにとって快適とは言い難い状況が作られていることもあります。

さまざまなタイプがありますので、どのようなものが取り扱われているのか福祉用具貸与事業所に問い合わせてみてください。

介護保険を用いた福祉用具|ポジショニングクッションやスライドシート

車いす付属品

画像にあるような延長ブレーキ棒、酸素ボンベ架、杖置き、転倒防止バーといった車いす付属品も福祉用具レンタルすることができます。

延長ブレーキ棒は病院内でサランラップの芯を利用している場面がよくありますが、その延長線として在宅でも同様に利用しているケースを見かけます。

車いすを屋外でも利用する利用者さんの場合にはすぐに劣化してしまうことも多いため、できればしっかりとした延長ブレーキ棒を利用したいものです。

介護保険を用いた福祉用具|車椅子付属品

自宅内で利用するスロープ

屋外から自宅内へと入るために利用する大きなスロープは福祉用具レンタル品として広く理解されている印象がありますが、自宅内で用いる小さな段差のためのスロープは福祉用具レンタル品と知らない方も多いようです。

自宅内での転倒予防はもちろん、自宅内で歩行器や車いすの移動を可能にする場合もあるために、こちらも知っておくべき福祉用具です。

介護保険を用いた福祉用具|自宅内で利用できるスロープ

バスリフト

入浴は介助量が多いだけでなく、転倒などによって事故のリスクも生じます。

そんなときに活用できるのがバスリフトですが、こちらも意外と知られていない福祉用具です。

電動によってシートが上下するので、座ったままで浴槽への出入りを可能とします。

しかし、全ての浴槽が適応となるわけではありませんので注意してください。

介護保険を用いた福祉用具|バスリフト

センサーマット

病院ではよく見かけるセンサーマット(踏むことによってチャイムが鳴るなどの通知が介助者に入るマット)ですが、こちらも福祉用具レンタルの対象となっています。

福祉用具というと歩行器や車いすやベッドのイメージが強いため、センサーマットが適応という認識を持っていない方も多いようです。

同居する介助者が「転倒するかも…と思うと夜にちゃんと眠れなくて」などと相談があったときに提案することがあります。

介護保険を用いた福祉用具|センサーマット

点滴スタンドは福祉用具レンタルできない!

福祉用具レンタルができそうでできないものの代表は、点滴スタンドです。

注入や点滴などを必要とする利用者は少なくないために問い合わせを受けることがありますが、介護保険の適応外となっています。

しかし、福祉用具貸与事業所の多くは自費レンタル(介護保険を使わないレンタル)として取り扱いを行っていますので、提携している福祉用具貸与事業所が対応可能かを尋ねてみてください。

介護保険を用いた福祉用具|点滴スタンドはレンタルできない

一本杖は福祉用具レンタルできない!

福祉用具レンタルで杖を利用できることは広く知られていますが、実は一本杖は適応ではありません。

「歩くのが不安定になってきて杖を考え始めていて」と相談を受けることがありますが、適応外であることに驚かれる方は少なくありません。

介護保険を用いた福祉用具|一本杖はレンタルできない

介護保険を用いた福祉用具|おわりに

今回のコラムでは、意外と知られていない福祉用具について紹介しました。

現場で働く福祉用具専門相談員としては、利用者さんと関わる頻度が低く時間も短いことが少なくないために、生活全容を把握できないことやニードを拾いきれないことがよくあります。

訪問看護などで利用者さんの生活に密に関わっている在宅スタッフからの声で福祉用具利用に至ることが少なくないため、本コラムで紹介した福祉用具を頭のどこかに入れておいてもらえれば、そのような機会に繋がるのではないでしょうか。

介護保険を利用する利用者さんと関わっている方は、「実は必要なんじゃないの?」といった視点を持って振り返ってみてください。

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