EBM(科学的根拠に基づく医療)の内容や手順について

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EBMとは、根拠に基づく医療という意味です。これまで治療の多くが医療従事者の経験や主観に基づく判断で行われてきましたが、EBMでは治療や診断を標準化することを目指します。本記事では、EBMの意味や手順、NBMとの違いについて紹介しましょう。

EBMとは

EBMとは「Evidence-Based Medicine」の略で、「根拠に基づく医療」と訳されます。
 
医療従事者の経験や直感だけに頼る医療ではなく、実証された科学根拠に基づいて医療を行うという考え方です。
 
さまざまな情報の中から適切な根拠を把握したうえで、患者の状況や価値観に配慮した治療を実践することを目的としています。
 
EBMの概念は1990年代に登場し、現在の医療現場ではEBMに基づいた医療提供が一般化しています。
 
EBMで用いる科学的根拠は信頼度や臨床試験などでレベルを分けることがあります。
 
※参照URL
https://kotobank.jp/word/EBM-14046
https://www.study-channel.com/2013/09/5step-EBM.html
http://www.chukai.ne.jp/~myaon80/Other-1-EBM.html
http://jspt.japanpt.or.jp/ebpt/ebpt_basic/ebpt01.html
 
 

EBMの手順

EBMには具体的に、5つの手順があります。
 
診療で生じた問題や疑問点を明確にし、信頼度の高い科学的根拠について情報を検索するという作業が必要です。
 
詳しく見ていきましょう。
 
 
1.患者の診療で生じた問題を明確にする
まず、患者への診療行為の中で生じた問題点や疑問を抽出します。あとで情報を検索しやすいよう、「PICO」という4つの要素に注目して問題を分析することがあります。
 
どんな患者(Patient)が
どのような介入(Intervention)をすると
何と比較(Comparison)して
どのような結果(Outcome)をもたらすか
 
2.信頼度の高い科学的根拠を検索する
問題点を抽出したら、それに関する情報を検索して収集する作業を行います。
 
設定したPICOにできるだけ関連した、信頼度の高い臨床研究を検索してください。
 
原著論文などの一次情報よりも、一次情報を要約してひとつにまとめた二次情報から先に検索すると効率的に情報を得られることがあります。
 
3.検索した情報の内容を批判的に検証する
得られた情報が信頼できるものかどうか、批判的に検証します。
 
設定したPICOと調べた情報に整合性があるかという点を確認し、患者への適用が妥当かどうかを判断しましょう。
 
4.患者へ適用を検討する
情報の内容が検証できたら、実際に患者への適用を検討します。
 
的確な判断をするためには専門的知識や技能が必要です。
 
さらに、適用するための施設環境は整っているのかという点も考えなければなりません。
 
また、患者の意向を確認することも必要です。
 
5.4までの手順を評価する
最後に、これまでの手順や患者に適用した治療についての評価を行います。
 
適用結果について、できるだけ長期的なフォローで分析することも大切です。
 
※参照URL
https://www.study-channel.com/2013/09/5step-EBM.html
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/rouka/ebm.html
 
 

NBMとの違い

EBMのあとに、EBMに不足する部分を補う形で提唱されたのがNBM(Narrative Based Medicine)で「物語と対話に基づく医療」と訳されます。
 
科学的根拠がすべての患者にあてはまる唯一の方法ではないという観点に立ち、治療方針の決定には患者の価値観も尊重されるという考え方です。
 
NBMは患者や家族のことも考えた医療であり、患者が抱える問題に身体だけでなく精神、心理的な観点も含めたトータルなアプローチをします。
 
※参照URL
https://www3.dental-plaza.com/archives/6600
https://mediaid.co.jp/glossary/ebm_nbm/
 
 

EBMは患者に最も適した治療を行う手法

EBMは5つの手順を繰り返し、信頼度の高い科学的根拠に基づき、患者に適した治療を施す方法です。
 
多数の患者を対象にした臨床研究などに根拠を求めながら、患者とともに方針を決めて治療を行います。
 
これまでの医療を否定するのではなく、より信頼できるデータに基づいた医療を行う手法です。
 
EBMだけにこだわるのではなく、NBMの手法も取り入れながら適用していくことも求められるでしょう。
 
 
【監修】
林 泉
東京大学医学部保健学科卒業
東京大学大学院医学系研究科修士課程修了
ソウル大学看護学部精神看護学博士課程修了、看護学博士号取得

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