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医療・介護領域で働くひとと経営学をBridgeするコラム〜使ってみると奥が深い?それとも浅い?「フレームワーク」の使いかた〜

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八木 麻衣子 聖マリアンナ医科大学東横病院 技術課長補佐

経営学領域でよく語られる「フレームワーク」は、ものごとを整理するための切り口を与えてくれるものです.今回は、そのなかでも簡単に用いることができ、かつ実用的であるマトリックス分析、SWOT分析、PEST分析を紹介します.一方、フレームワークは現状を切り取り、問題点の分類・整理することには適していますが、決して解決策を提示してくれるものではありません.問題が生じた理由を考え、その改善策を取捨選択するために必要な思考の軸足は、あくまでも「経営理論」であり、「センスメイキング(意味づけ、納得、腹落ち)」を目指ことが必要となります.

目次

    はじめに

    みなさん、お久しぶりです.またお会いできましたね.医療・介護領域で働く人と経営学・経済学をBridgeするコラムにようこそ.今回のコラムでは、ものごとを整理するための切り口を与えてくれる「フレームワーク」について、その特性や限界を知ったうえでの活用方法を考えていきたいと思います.

    フレームワークとは

    目の前に問題が山積している状況からは逃げだしたくなるのが人間ですが、組織を適切に運営していくためには、そう言ってもいられません.しかし、直面している環境や状況は、いろいろな要素がとても複雑に絡み合っているように見えるため、何から対応するべきなのか、手を拱いてしまう場面も多いのではないでしょうか.そんな時に、ものごとを観察するべき視点を定めてくれるのが「フレームワーク」です.たとえ複雑にみえる事象であっても、何かしらの切り口が用意されれば、ある程度効率的に「可視化・言語化」して状況を整理することができるのです.

    物事の全体像を把握するマトリックス分析

    物事を把握するためのシンプルなフレームワークとしてよく用いられるのが、マトリックス分析です.これは、意味があると思われる2つの切り口(セグメント)を軸とした図面に分析対象をプロットして全体像を明らかにすることで、手が届いていない課題を可視化していく簡単な手法です.例えば、リハビリテーションの「一般的な必要度」と「院内でのニーズ」の2つを軸に、すでにリハビリテーション医療が提供できているかどうかをプロットしてみましょう(Figure1).すると、ニーズが存在するにも関わらず、実際には対応できていないクラスターを把握することができます.そしてこれは、のちに事業計画を立てる際などには、有用かつ「可視化された」データとなります.

    強みと弱みを知るSWOT分析

    SWOT分析は、ビジョンや戦略の策定に際して、内部・外部環境における自分たちの強み・弱みの環境を把握するためによく用いられます.内部環境は、自分たちでコントロールが可能な要因であり、その中でも他より勝っている点(Strength)と劣っている点(Weak)をあげていきます.一方、外部環境は、自分たちでコントロールすることは難しい環境の変化であり、活用すればプラスに働く機会(Opportunity)とマイナスに働く脅威(Treat)に分けて確認することができます.

    外部環境を整理するPEST分析

    また、Politics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術)の頭文字をとったPEST分析は、自分たちを取り巻くマクロ環境についての整理を行うフレームワークとして活用できます.医療・介護は、多くの法律で規制されており、その政治的動向(Politics)を把握・理解することはとても大切です.一方、実際に医療や介護を提供する場合には、地域や社会的な価値観の変化など(Society)に柔軟に対応する必要があります.また今後は、ICTなどを中心とした技術面(Technology)の活用を考えることも、医療・介護領域のプレーヤーとして重要な観点となるでしょう.これらのことを、少し長めのトレンドで眺めることのできるPEST分析は、医療・介護領域における外部環境分析として有用であると考えられます.

    フレームワークを用いる際の注意点

    一方で、フレームワークを利用する場合には注意すべき点も存在します.フレームワークは、あくまでものごとを見る視点を定めてくれる「切り口」であるため、問題点の分類・整理には適していますが、決して解決策を提示してくれるものではありません.問題が生じた理由を考え、その改善策を取捨選択するために必要な思考の軸足は、あくまでも「経営理論」です。もちろん、有名なフレームワークの中には、経営理論に基づいて語られているものもありますが、その多くは「現状を切り取る」ことを得意としたものであり、そこから先の問題解決のためには、経営理論をさらに探求して「センスメイキング(意味づけ、納得、腹落ち)」を目指ことが必要となります.

    そこで次回からは、医療・介護領域で幅広く応用や展開が可能だと思われる経営理論について、少しずつ紹介していきたいと思います.

    主催者への質問

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