近年ではサブグループ化を活用することが提唱されており、私も膝OAに対してサブグループ化を用い興味深い知見を得ることができています。今回は、サブグループ化の紹介として、私が行った研究を中心に解説いたします。
膝OAの患者さんで重症化する要因に疼痛関連因子が関与している可能性が強く、初期評価でのスクリーニングが重要であることが理解できます。

これまで痛みのメカニズムや、それらに対する評価について述べてきました。 ここからは、そういった評価を、具体的にどのように臨床に落とし込んでいくか?について触れていきます。

サブグループ化とは

近年、サブグループ化Classification(分類)という概念が提唱されるようになってきました。

これは、例えば変形性膝関節症(膝OA)という診断がついた人でも、「変形の程度が軽度〜重度の方」、「痛みの場所が関節内〜外にある方」、「外側動揺(Lateral thrust)がある方・ない方」など、その症状が多彩であることから、似たような特徴を持った人たちをグループ分けしていくことを意味しています。

このように、疾患や診断名で一括りにせずに、似たような特徴を持つ集団を、サブグループ化、もしくはClassification(分類)することが推奨されています(図1)。

以前の私自身がそうだったのですが、多彩な症状を一括りにして、評価・治療を行っていました。 しかし、そこには機能的な問題が強い人もいれば、特徴的な痛みの症状を有する方もいたわけです。

そうすると、特徴的な痛みの症状を有する方に道理一辺倒の評価・治療を行っても効果が期待できない、ということになります。

そのため、近年では、病態を元にしたサブグループ化運動学的特徴を元にしたサブグループ化痛みの要因を元にしたサブグループ化など、さまざまなサブグループ化が提唱されています。

関節痛(膝OA)に用いたサブグループの紹介

ここからは、私たちが作った関節痛(膝OA)に対する痛みの特徴を用いたサブグループを紹介します。 膝OAと診断され、初期評価を行った303例を対象にしています。

医師の診断・理学療法処方後に、以下の評価を行いました。

・膝の変形の重症度(医師) ・罹患期間 ・薬、注射の有無 ・膝関節の可動域 ・痛みの強さ ・能力障害(OKS) ・痛みの破局的思考(PCS) ・痛みに対する自己効力感(PSEQ) ・膝関節の身体知覚異常(FreKAQ)

解析の結果、変形の程度と症状により4つのグループに分類されました(上図)。 この中で、特に重要になるのが「重症群」に属するような方々になります。 このグループの方々は能力障害(活動制限)が強いのですが、その要因として疼痛関連因子(破局的思考、自己効力感、身体知覚異常)が影響していることが考えられました。

実際に、これら4群に対して、その後、標準的な理学療法を5ヶ月間実施したのですが、重症群においては、他の群と比較して十分な結果が得られませんでした(下図)。

つまり、初期に痛み関連因子の問題で活動制限をきたしているような膝OA患者に対しては、標準的な治療だけでは十分な効果は期待できないということが分かりました。

また,通常の治療では反応性が良くない方々が2割程度存在するという点も重要なポイントになると思います。 その意味でも、初期評価の際に特徴的な所見を拾いあげるためのスクリーニングが必要になるといえます。

企業への質問

この機能を利用するには、ログインが必要です。未登録の方は会員登録の上、ログインしてご利用ください。

この記事に関連するタグ

興味のあるタグをフォローしておくことで、自身のフィードに関連するセミナーやコラムを優先的に表示させることができます。 (無料会員機能。 登録はこちら )

執筆者の他のコラム