作業療法士(OT)の精神科での役割とは?魅力的なやりがいについても解説

お気に入り数 0
XPERT XPERT 管理者

「精神科で働く作業療法士って何をするの?」
「精神科で働くやりがいって何?」
作業療法士の活躍の場は病院や、地方自治体など多岐にわたります。その中でも作業療法士の就職先としてもイメージされやすい精神科での役割について気になる方も多いでしょう。
そこでこの記事では、精神科の概要や患者さんの年齢層を紹介しながら、精神科で働く魅力について解説していきます。
ぜひ、最後まで記事を読んで精神科で働く際の参考にして見てください。

意外と知らない心療内科と精神科の違い

心療内科と精神科は、どちらも「こころの病」の診療を目的としています。しかし、大きく異なる点がいくつかあります。

 

ここでは、心療内科と精神科の具体的な違いについて紹介していくので、ぜひ作業療法士として精神科で働く際の参考にしてみてください。

 

心療内科の専門

心療内科の専門は、「こころの病」によって生じる「身体症状」を治療することです。具体例としては、以下のような症状が挙げられます。

  • 倦怠感
  • 疲労感
  • 動悸
  • 手足の痺れや震え
  • めまいや耳鳴り
  • 喘息
  • 下痢 など

 

身体症状は、「心身症」とも呼ばれストレスなどの心理的要因によって起こります。診断名としては、うつ病や睡眠障害、拒食症などが有名です。

 

精神科の専門

精神科の専門は、「こころのなかで起こる症状」を治療することです。主な症状としては以下が挙げられます。

  • 不安
  • 抑うつ
  • 不眠
  • 幻覚
  • 幻聴
  • 妄想
  • 物忘れ など

 

診断名としては、依存症・パニック障害・強迫性障害・双極性障害・統合失調症などが有名です。

 

 

精神科の患者さんの年代

今回は、精神科にフォーカスして患者さんの年代を詳しくみていきましょう。精神疾患は、比較的若い年齢で発症することが多いです。

 

海外の研究では、精神疾患をもつ半数が10代半ばまでに発症し、全体の約75%が20代半ばまでに発症しているとされています。

 

つまり、精神科の患者さんは若い頃に発症し、そのまま大人になっている場合も多いので、10代〜50代など幅広いと言えるでしょう。

 

 

精神科での作業療法士の役割

精神科で働く作業療法士の役割についてみていきましょう。精神科での作業療法士の主な役割は以下の4つです。

  1. 1.信頼関係を築き安心を与える
  2. 2.作業療法を通して自信を持ってもらう
  3. 3.身体能力を取り戻す
  4. 4.社会交流の場を広げる

 

それぞれを解説していきます。

 

1.信頼関係を築き安心を与える

信頼関係は、作業療法を行う上で最も大切なことと言えるでしょう。精神科の患者さんの多くは対人関係に敏感で、心を閉ざしやすい傾向にあります。

 

そのため時間をかけながら、信頼関係を築き安心してコミュニケーションをとってもらえるようにしていくのです。

 

そもそも、「リハビリテーション」の日本語訳は「社会復帰」です。つまり、作業療法のリハビリテーションを通して社会復帰してもらうことが大きな目的となります。

 

したがって、作業療法を通して安心してコミュニケーションがとれることを再認識してもらい、社会復帰してもらうことが大きな役割なのです。

 

2.作業療法を通して自信を持ってもらう

精神疾患を発症すると、これまでできていた日常動作や社会活動が円滑に行えなくなる場合も多くあります。

 

そのため、精神科の患者さんは自信を失い「自分は何もできない」など、ネガティブになっていることが多いです。

 

そこで、信頼関係を築いた作業療法士が、患者さんの能力を見極め段階を経ながらできることを褒め、伸ばし、自信を取り戻せるように支援していきます。

 

自信を取り戻した患者さんの表情や気持ちは明るくなり、積極的に新たなことへと挑戦するようにもなるでしょう。これは、作業療法士にとってのやりがいの一つと言えます。

 

3.身体能力を取り戻す

精神科の患者さんは、こころの症状が原因で活動量が低下したり、身体能力が低下したりします。そのため作業療法士は、こころのケア以外にも低下した身体能力に対する介入をする必要があるのです。

 

また、運動は精神へ良い効果をもたらすという研究もあります。したがって、リハビリを通して体を動かすことは、こころの症状の改善にも直結するのです。

 

4.社会交流の場を広げる

誰しもが、初めての場所や人と交流することには緊張してしまいます。緊張がゆえに新たな挑戦や交流ができずに自分の行動範囲を狭めていることも多いです。

 

人は、新たな環境に踏み入ったり人と交流したりすることで、精神的に成長したり安定や生きがいを見つけたりします。

 

その社会交流への練習として、作業療法士が一緒に会話をしたり新たな場所へ行ってみたりして自身の活動範囲を広げるお手伝いをしていきます。

 

 

精神科で連携する他職種

精神科で勤務する作業療法士は、多くの職種と連携しチーム医療を提供していきます。ここでは、特に連携することの多い3つの職種について解説していきます。

  • 医師
  • 看護師
  • 精神保健福祉士

 

それぞれの職種との関わりについて確認し、円滑なチーム医療を提供する参考にしてみてください。

 

医師

医師とは、治療方針の確認を密に取るようにしましょう。

 

医師やその他の職種と治療方針に対して認識のずれがあると、双方でおこなっている治療やリハビリの効果が出ないだけではなく、かえって患者さんの病状を悪化させる可能性もあります。

 

また、患者さんとの関わりの中で気がついた病状や精神状態の変化についても適宜報告しましょう。

 

看護師

看護師は、患者さんの生活状況を把握しているため夜間の様子や睡眠時間、病室での過ごし方などリハビリだけでは知り得ない情報を共有してもらいましょう。

 

反対に、作業療法士の視点から日常生活に取り入れると良いことなどを共有し、病棟での生活リハビリを行える環境を整えていくことも大切です。

 

精神保健福祉士(PSW)

精神保健福祉士はPSWとも呼ばれ、精神的な障害のある方を支える職種です。病院の場合には、入院から退院までの間の相談に応じ、退院後に円滑に社会参加が行えるようにサポートもしていきます。

 

PSWとの関わりでは、退院後の本人や家族の意向などをきちんと共有し意向に即したアプローチを検討していきましょう。

 

精神的な障害を持つ患者さんは、社会復帰に対して緊張している方も多いです。そのため、退院後に円滑に日常生活が送れるようにPSWと密に情報共有を行うことが大切なのです。

 

 

精神科で働く作業療法士のやりがい

精神科の患者さんの中には、心を閉ざしてしまい対人コミュニケーションが上手く取れない方もいます。

 

そんな中でも作業療法を通して、病気だけではなく心に寄り添った対応で患者さんが少しずつ明るく変わっていく姿を見られるときは、何よりのやりがいと言えるでしょう。

 

精神疾患や患者さんが感じている苦悩、葛藤を理解して寄り添っていくことで、自分自身も多くのことを学び共に成長していけるのも魅力的なやりがいの一つです。

 

 

まとめ

今回は、心療内科と精神科の違いについて紹介しながら、精神科で働く作業療法士の役割ややりがいなどについて解説してきました。

 

精神科の患者さんは、さまざまな原因でこころに傷や病気を負ってしまい、生活に支障をきたしています。目に見えない心の傷は、医師の治療だけでは完治が難しいことも多く、作業療法士が相手の感情や症状を理解して寄り添ったリハビリを行うことが重要となります。

 

既に病院などで勤務している作業療法士や、これから就職先を探している方でも「身体症状に対するリハビリ以外にも相手に寄り添い心のケアも行いたい」という方は、ぜひ精神科で勤務して見てはいかがでしょうか。

企業への質問

この機能を利用するには、ログインが必要です。未登録の方は会員登録の上、ログインしてご利用ください。

この記事に関連するタグ

興味のあるタグをフォローしておくことで、自身のフィードに関連するセミナーやコラムを優先的に表示させることができます。 (無料会員機能。 登録はこちら )

執筆者の他のコラム