作業療法士(OT)に英語力は必要?
OTの国家試験では英語力が求められません。そのため、英語が苦手な方でも資格を取得することはできますが、実務においては必ずしも英語が必要ないとはいえません。
リハビリテーションを受ける患者の中には英語以外の言語が話せない方や、日本語より英語のほうが理解しやすいという方もいるかもしれません。
円滑なコミュニケーションを取るためにも、英語を話したり、聞いたりするスキルを身につけておく必要があるでしょう。
あまり多いケースではありませんが、医師によってはリハビリテーション指示書を英語で記すことがあります。したがって、最低限リハビリテーションに関連する英単語は覚えておくとよいでしょう。
学校で学ぶ医学英語とは
作業療法士(OT)の養成課程には、リハビリテーション英語など医学英語がカリキュラムに含まれていることがあります。
リハビリテーションや医学についての基礎的な単語、骨や臓器などの身体に関する単語、頻繁に用いられる略語(OTは作業療法士を意味することなど)、論文などを用いた英文解釈について学ぶことが一般的です。
いずれも、中学や高校で習得する基礎的な内容であるため、特に英語が苦手でも心配することはないでしょう。
英語力を活かした作業療法士(OT)の働き方
OTの英語力を活かした働き方として、次の4つが挙げられます。
- 1.外国の方が多い地域で働く
- 2.国際学会で研究や論文を発表する
- 3.海外で作業療法士として働く
- 4.製薬会社で働く
外国の方が多い地域では、英語を話せるOTのニーズが高いと考えられます。また、場合によってはOTとしての臨床経験を論文としてまとめ、国際学会で発表する機会もあるかもしれません。
そのような経験を重ねれば、海外のOTが直面する問題や実情を学ぶことができ、スキルアップにもつながります。
そして、英語力があることにより海外でOTとして働くことも検討できるでしょう。その国で必要とされる資格を新たに取得することが求められますが、日本では得られないような貴重な経験を積むこともできます。
資格を習得せずにOTとして海外で働きたい場合は、青年海外協力隊などのボランティアへの参加を検討してみるとよいでしょう。
OTとしての経験や知識は、製薬会社でも求められることがあります。MSL(Medical Science Liaison)は科学的なエビデンスをもとに、医師に医薬品の情報提供を行う専門家のことで、OTとしての経験だけでなく英語力を発揮できる職種といえます。
英語力を身につけてキャリアの選択肢を広げよう
英語力を身につけることで、キャリアの選択肢が広がります。英語を必要とされる地域で作業療法士(OT)として働くだけでなく、海外でOTとして働くことや製薬会社でMSLとして仕事をすることもできるでしょう。
また、今までの臨床経験を活かして、論文や研究の発表の場に英語力を発揮することも可能です。ぜひ英語力を身につけて、幅広い分野で活躍してみてください。
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