前回は痛みの分類の中の侵害受容性疼痛について取り上げました。
今回は神経障害性疼痛(Neuropathic pain)について取り上げます。
神経障害性疼痛とは「体性感覚神経系の病変や疾患によって引き起こされる痛み」と定義されています。
“神経系”と一口に言っても、その範囲が広いことから「末梢神経から大脳に至るまでの侵害情報伝達経路のいずれかに病変や疾患が存在するときに生じる痛み」とされています。

1.神経障害性疼痛とは

前回は痛みの分類の中の侵害受容性疼痛について取り上げました。 今回は神経障害性疼痛(Neuropathic pain)について取り上げます。

神経障害性疼痛とは「体性感覚神経系の病変や疾患によって引き起こされる痛み」と定義されています。 “神経系”と一口に言っても、その範囲が広いことから「末梢神経から大脳に至るまでの侵害情報伝達経路のいずれかに病変や疾患が存在するときに生じる痛み」とされています。

具体的には坐骨神経痛や神経根症状(腰椎椎間板ヘルニアなど)がありますが、その原因には多くのものがあります。 栄養代謝、遺伝、外傷、虚血、中毒、感染、圧迫(絞扼)、免疫、腫瘍、変性疾患など。 このような問題によって、神経障害性疼痛を有している人は、日本に600万人ほどいることが推察されています。

2.神経障害性疼痛のスクリーニング法の紹介

器質的な原因による痛みには、前回のコラムで紹介した侵害受容性疼痛と神経障害性疼痛がありますが、この2つの痛みは臨床上オーバーラップしていることも多く、その場合には「混合性疼痛」と表現されます。 私は理学療法士なので、診断権はありませんが、医師が神経障害性疼痛をスクリーニングする際の基準として、神経障害性疼痛ガイドラインの中で図2の方法が推奨されています。

また、侵害受容性疼痛と神経障害性疼痛を鑑別するスクリーニングツールとしてPain DETECTというものがあります。 Pain DETECTによる侵害受容性疼痛と神経障害性疼痛の鑑別診断の予測精度は83%(感度:85%、特異度:80%)といわれており、かなり高い確率で痛みの要因を識別することができます。 また、Short-Form McGill Pain Questionnaire-2(SF-MPQ2)という評価ツールも侵害受容性疼痛と神経障害性疼痛の痛みの識別に加え、心理社会的因子も包括した評価ツールとして有用です。 このあたりの評価に用いるツールについては、評価の時に取り上げていきます。

図2. 神経障害性疼痛の診断アルゴリズム(神経障害性疼痛ガイドラインより引用)

3.臨床における神経障害性疼痛の特徴

神経障害性疼痛の臨床的特徴としては「障害された神経支配領域に一致した部位に、自発的な痛みや刺激によって誘発される痛みがあり、その部位に感覚の異常を合併すること」といわれています。 自発的な痛みは持続的もしくは間欠的なのが特徴です。

また、刺激によって誘発される痛み(アロディニアや痛覚過敏)も特徴的な所見の一つで、他にもさまざまな感覚の異常(痺れや灼熱感、感覚の低下など)を呈すことが特徴的といわれています。

神経障害性疼痛に対するガイドラインも発行されていますので、詳細についてはそちらをご参照ください。 次回は侵害可塑性疼痛について取り上げていきます。

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