「あなたや会社にとっての武器は何でしょうか?」
私のコラムでは経営戦略やマーケティングのお話が多いですね。これらを一言で説明すると経営戦略は“商品やサービスを売ることや、あなたや会社が生き残るための作戦”と言えますし、マーケティングは“価値をしっかりと相手に伝えることや方法”になると思います。今回は、この2つの軸となる「武器となる何か」を見つけるための考え方やライバルとの競争のなかでの活かし方を読者の皆様に紹介します。

コア・コンピタンス

コア・コンピタンスとは“顧客に対して自社ならではの独自の価値を提供する能力1)”を指します。

企業戦略における「売れそうな分野の事業をする戦略を組む」に対し、「自社の強みをベースに、その経営資源を活用・発展させる戦略を組む」という経営方針が1980年代にスポットライトを浴びるようになったという過去があります。

当時は、「空いてるチャンスに対するポジショニングこそ良いのではないか?」という考え方の勢いが強く、それに対し「自社の強みを強化しよう!」というのは理論として新しかったのです。

※皆さんお気づきと思いますが、どちらか二択ですべては決まりませんね。結局は両者のバランスです。

しかし、現在においても「強みをしっかりと定義して、それを伸ばすことや真似しにくい差別化ポイントにする!」という考え方は非常に有効でしょう。

コア・コンピタンスの活かし方

実際にコア・コンピタンスをどのように活かしていくかについていくつか紹介します。

この時のポイントになる条件があります。それは、以下の3つです。

①相手に対して何らかの利益をもたらすことのできる能力 ②ライバルが真似できない、真似されにくい能力 ③複数の市場や製品にアプローチできる能力

それぞれの例を解説していきます。

①相手に対して何らかの利益をもたらすことのできる能力

まずは何かの利益を出せなければいけませんね。

会社なら商品やサービスそのものですし、個人のキャリアならあなたを雇用あるいは依頼するとなぜ良いのか?という部分です。

利益が相手に無いのに「これが得意なんです!!!」では、残念ながら多くの場合は特技にはなるもののコア・コンピタンスにはなり得ません。

②ライバルが真似できない、真似されにくい能力

せっかく見つけた強みをライバルに真似されると、すぐにコモディティ(陳腐化)していまいます。

なので、真似できないくらいに強みを伸ばすか、真似されにくいように何らかの策を講じなければなりません。

前者はイメージしやすく、とにかく商品なら性能を上げることですし、サービスなら質を高めることです。

ただ、これらにはある程度の位置でなんらかの限界もありますし、受け手には分からなくなるフェーズがあります。

たとえば、車を買う時に性能だけでは決めないですよね?

また、車なら性能は数値化できますが、マッサージや美容院のクオリティや魅力の数値化は極めて難しく、受け手に差も分かりにくいです。

なので、真似されにくいように特許を取ることや、名前やパッケージでブランディングなども並行するのが大事になります。

③複数の市場や製品にアプローチできる能力

広めるためにはこれがとっても大事です。

①と②はひとつの商品やサービスなのですが、一度強みを抽象化して、他の対象や市場に適応できるか?を考えていくのです。

近年ではヘルスケアや介護分野に元々はこれらの領域ではなかった一般の企業が参入していますがこのパターンです。

前提になるものとして、まずは①顧客や社会の課題が解決できることです。

つぎに、②優秀な開発力や真似できないほど高いクオリティの商品があることです。

特許の取得なども真似を防ぐために取得しているかもしれません。

最後のポイントは、③自社の強みであるコア・コンピタンスをヘルスケアや介護分野向けにリノベーションすることです。

視点を個人に変えてみると、ヘルスケア→異業種で活躍する医療職でも同じように①、②、③のポイントを抑えている方が多いように感じられます。

コア・コンピタンスの注意点

ここまではコア・コンピタンスの良い点について紹介してきましたが、実は注意すべき点もあります。

それは「硬直化を招く可能性」です。

コア(殻)となる能力や優位性に過度にしがみつくことで、その裏ではコア=硬直性とネガティブな状態に結びついてしまうことのリスクがビジネススクールなどでも注意されています。

例えば、それは以下のケースです。

>会社が以前、成功した商品やサービスから変化を行えなくなる 成功体験に過度に依存することに繋がります。

価値の再定義が出来なくて潰れていってしまった企業については歴史を追うとかなりたくさんの事例があります。

>自分の強みは「○○」と決めつけて、新たな価値の見直しが出来なくなる こちらも変化が出来なくなることです。

個人においては職業や部門などの「決めつけ」が生まれる場合が多いです。

専門職の場合だと「自分はこの資格だから…」や「病院から老健に異動?嫌です…」となる事例があてはまると思います。

これらの問題点は「表面的な強み」であって、その奥にある「本質的な強み」の理解に至ってないあるいは間違えてしまうことが原因ともいわれます。

この点に注意しながら、あなたや組織のコア・コンピタンスを見つけられたら、きっと大きな武器になります。

是非探してみて下さい。

【参考文献】 1)高橋伸夫(2017).『図解 大学4年間の経営学が10時間でざっと学べる』.角川出版

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