前回は四つ這いについて、正常発達や姿勢制御の観点に加えてクランフォーゲルバッハの運動学の要素も踏まえて解説を行いました。
今回は四つ這いで行う評価について記載を行なっていきます。
私が普段、臨床で取り入れているものが多く含まれており、エビデンスには少し乏しいかもしれませんが「こんな風な見方もあるんだな」くらいで見ていただければ幸いです。

四つ這いでの評価は各関節アライメントと脊柱の可動性をチェックすると良し

四つ這い位を取る際にまずチェックするのはアライメントです。

僕が四つ這いを対象者に実施し、評価を行う際は以下の手順をとります。

①自身が真っ直ぐ(脊柱の生理的アライメント)だと思う四つ這いをとってもらう ②その状態でのアライメントをチェックする ③胸椎・腰椎をそれぞれ前後弯させてからもう一度四つ這いをとる ④もう一度チェックする

何も行わない状態で、自身でのニュートラルポジションをチェックしまずその状態でのアライメントをチェックします。

その後、一度自身の可動範囲で動かし筋活動及び関節受容器(関節包・靭帯の伸長や関節内圧の変化)でフィードバックをかけた状態で再度ニュートラルを取ることで、より適切なアライメントをとることができれば運動による改善が見込めるのではと考えます。

それでもアライメントが大きく変わらない部分があるのであれば、そこには筋力低下(マッスルインバランス)や関節可動域の制限が生じている可能性があります。

特に多いのは腰椎過前弯及び胸椎過後弯や翼状肩甲・股関節外旋位などで、さらにここから詳細な評価を行なっていきます。

ですが、この評価だけでもある程度問題点を絞れると思いますので、まずは動きを入れて変化するかどうかを見ることをお勧めします。

前後・回旋の動きと支持点を変えて多角的に捉える

ここから四つ這い姿勢に動きを加えて評価を行なっていきます。

▶ロックバック:前後の動き 四つ這いの姿勢からお尻を引いて正座の姿勢をとり、そこからまた四つ這いの戻るという動きを繰り返していきます。正座になる過程で脊柱(特に腰椎)に緩やかな後弯が生じるので、どちらかの脊柱後面の筋に柔軟性低下があれば、骨盤が左右どちらかに寄るもしくは骨盤が踵につくタイミングにずれが見られます。

この際に股関節外旋が生じたりするようであれば股関節深屈曲が難しいことが予測できます。

日常生活動作であればしゃがみ込む動作、スポーツ動作であればジャンプ動作などにも動きが類似時しているので、脊柱を含めた複合的な動きの評価としては非常に適していると思われます。

▶トランクローテーション:回旋 四つ這いの状態で、片方の手を頭部に置き胸から動かすように体を回旋させる動作です。

回旋角度の左右差はもちろんですが、過剰な脊柱側屈及び骨盤のswayなどで代償することが多く、そこから腹部の機能や脊柱や胸郭周囲の筋柔軟性などを評価することが可能です。

ちなみに、以前私が調査した際の健常人平均値はおよそ45°になっています1)。

ちなみに腰椎の動きを抑制したい場合は、足をすこし前(膝がお臍の下にくるくらい)にして行うと分かりやすくなります。

▶上肢及び下肢挙上:支持点の変化 正常の四つ這いから、どちらの上肢もしくは下肢を挙上させます。 四つ這いのみであれば多裂筋・脊柱起立筋は10%MVC程度、大腰筋や大腿直筋も10%MVC以下の筋活動量になりますが、上肢を挙上すると有意差はないですが対側の多裂筋がわずかに、そして下肢挙上では同側の多裂筋の筋活動量が有意に上昇します1)。

これらの筋活動が不十分であれば、体幹の動揺や骨盤のsway、翼状肩甲が出現するなどが起こります。3点支持でのブリッジ活動にもなるので腹部への負荷も増大するので、オーバーヘッドスポーツであれば、この状態で適切に上肢挙上位が取れるかはよくチェックを行いますし、片足立ちになる場面があるスポーツ選手であれば、下肢挙上のみで代償が出てくるのであれば初歩的なコアエクササイズを処方するなどをしていきます。

今回はかなり主観的で実際に行っている臨床感を書いていきましたのであくまで参考レベルに留めていただけると幸いです。

ですが通常の四つ這いに加えて、これらの評価を交えることで脊柱及び股関節や肩甲帯など中枢部の評価が行えます。これらは姿勢制御や運動制御において非常に重要な部分なので、年齢や活動レベルを問わずにチェックすることを個人的にはお勧めします。

次回は四つ這いで行うエクササイズについて記載していきます。

【参考文献】 1)高山 弘幹ら, 競泳選手における胸椎回旋角度と肩痛の関連性, 第16回肩の運動機能研究会, 2019 2)大久保 雄 著, 金岡恒治 編, Ⅲ 体幹筋群の機能的特徴とその評価方法は?. 腰痛の病態別運動療法, 51-55. 2016

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