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  3. 医療・ヘルスケア・スポーツ専門家のためのAI活用

近年、多くの国内外の学会で、医療・ヘルスケア・スポーツ領域における人工知能(AI)の活用事例が報告されてきています。そもそも、「AI」とは何なのか?また類似の言葉で、「機械学習」「ディープラーニング」といった言葉を聞くこともあるけど、どう違うのか?本記事では、非エンジニアである医療・ヘルスケア・スポーツ関連職種の方々に対してそれらの違いやAIの歴史をシンプルにご説明致します。

目次

    多くの国際学会に参加して

     私は大学の医局における博士課程・大学院時代で学んでいた時期を中心に、ここ7年間ほどで多くの海外のリハビリテーション・整形外科関連学会に参加し、学術成果を発表してきました。

    (The American Academy of Orthopaedic Surgeons 2019 Annual Meetingにて発表)

    そこでは毎回、今後の医療を変革させうるようなインパクトのある大規模臨床研究の発表や、最先端の手術テクニック・医療機器・テクノロジーの紹介などがあり、非常に刺激的な場でした。

    そういった一流の臨床家・研究者の方々とディスカッションを行っていると、私自身もいつかは、この生涯を通じて何とかして、少しでも世の中が良くなるような医療・技術の開発を行っていきたいと、強く感じました。

    私は理学療法士としてさまざまなフィールドで臨床を行っていたこともあり、何とかその現場を変えるような技術を考案できないものかと、日々いくつかの研究を遂行しております。

    具体的には超音波画像を活用した新たな理学療法戦略の立案、システマティックレビューやメタアナリシスを行うことで従来のアプローチの是非を科学的に検証することなどを行っています。


    (臨床・研究ではこれまで超音波画像を活用してきている)

    ですが、既存の延長線上にある活動ばかりでは、なかなか現場を大きく変えることも難しいのかと考えることもあります。

    そこで最近着目しているのが、テクノロジーを活用したリハビリテーションです。

    国際学会では従来型のリハビリテーションの検証のみならず、再生医療、ロボット工学、遠隔診療などを活用したリハビリテーションの報告が散見されてきています。

    世界中の研究機関がこぞって、これらをいち早く臨床応用すべくしのぎを削っています。

    私もこれらを行ってみたいと思ってはいても、これらを用いた基礎・臨床研究を行いためには環境がある程度整っていないと困難な部分が現実問題としてあります。

    そうした中で自身でも利用が可能と考えたのが、人工知能(Artificial Intelligence、以下AI)を利用した医療技術の開発です。

    リハビリテーション領域に限らず、医師をはじめさまざまなコメディカル職種・スポーツ現場の専門家の現場を大きく変える可能性が非常に高いテクノロジーであると個人的には考えており、現在研究プロジェクトを推進しております。

    そもそも人工知能とは?

    最近になっては各種メディア等でもAIという言葉を見ない日はなくなってきているくらい、一般的な単語になってきていますね。

    実はAIという概念自体はかなり以前から、具体的には約60年前から存在しております。

    当時における第1次AIブーム、その後約40年前に起こった第2次AIブームと、それら間の“冬の時代”がありました。

    そして近年のコンピュータの飛躍的な性能の向上などがあり、現在が第3次AIブームに入っていると言われています。

    それゆえ、最近になって初めて頻繁にAIという単語を聞くようになったと感じる方が多いのです。

    では一体、AIとは何なのでしょうか?本メディアではエンジニア関連職種の方でなく、医療・ヘルスケア・スポーツ専門家を読者の対象としておりますので、各用語の定義や解釈の厳格さといったものは取り除き、なるべくかみくだいた形で説明・分類していきたいと思います。

    ここでは、ざっくりと、AIの分類についてご説明致します。
    皆さんは、AIと関連のある用語である、「機械学習」や「ディープラーニング」との違いについて、聞いたことはありますでしょうか?

    「AI」とは、人間と同じような知能を実現する技術全般のことを意味します。
    「機械学習」とは、AIの種類の1つです。

    学習を通じて、特定の課題が実行できるようになるAIのことを示す用語です。
    学習の方法は、我々人間が学んできたのと同じように、「教師あり学習」や「教師なし学習」、「強化学習」などの方法があります。

    そして「ディープラーニング」とは、機械学習の中の1つのものになります。
    ヒトの脳神経細胞(=ニューロン)を模倣したモデルを多層構造に発展させたもので、この技術が急速に発達してきたことで、近年の第3次AIブームに火がついたとされています。

    (図1 人工知能・機械学習・ディープラーニングの関係の模式図)

    うーん、まだ分かりにくい気もしますね…。
    例えるとするならば、「リハビリを行う専門職(=ここではセラピストとします)」、その中でも身体機能を主として向上させることを目的とする「理学療法士」、更には疾患によっては経験や知識・技術が豊富なものがリハビリに携わったほうがいい場面も多いため、近年取得者数が増えてきている各領域(スポーツ領域や、運動器疾患領域等)の「認定/専門理学療法士」との関係性に似ています。

    (図2理学療法士で例えるとすると…)

    要するに、それぞれは別個のカテゴリーになるのではなく、最も広い概念がある中で、ある程度特化したもの、さらに詳細な形に専門化していったもの、と考えて頂くと、何となくそれらの関係性はご理解頂けるのではないかと思います。

    今後のコンテンツ

    さて、本記事では簡単な自己紹介とAIの基礎の基礎についてお話させて頂きました。本シリーズでは、今後は以下のようなコンテンツを発信していく予定です。
    ・医療保健領域における人工知能応用の現状 (実践例の紹介)
    ・医療保健領域における人工知能応用の展望 (研究開発段階の事例、今後の展望予測)
    ・人工知能関連リテラシーの習得のために (どのようにAIとつきあっていくのがよいか)

    このような順序で情報を提供させて頂き、皆さまのAIに対する漠然とした不安を取り除き、上手く活用していくお手伝いができればと思っております。

    今後もどうぞ、ご期待下さいませ。

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