【やりがいあり!】言語聴覚士が活躍できる小児領域を解説

お気に入り数 0
XPERT XPERT 管理者

「言語聴覚士として小児に携わりたい」
「小児領域で働くやりがいとは?」
言語聴覚士として小児と関わりたいと考えているものの、実際に提供しているサービスや施設がわからないという人も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、言語聴覚士が対象とする小児や活躍できる勤務先についてまとめました。
小児領域で働く言語聴覚士に興味がある人はぜひ参考にしてみてください。

言語聴覚士が対象とする小児

言語聴覚士が対象とする小児

言語聴覚士は以下のような障害をかかえる小児を対象にしています。

【対象となる小児】

  • ことばの障害
  • 聴覚の障害
  • 摂食・嚥下の障害
  • 高次脳機能障害

順番に詳しくみていきましょう。

  

ことばの障害

小児領域における言語聴覚士は「話しにくい」「言葉がうまくでてこない」「どもってしまう」など、「ことばの障害」を抱える小児を対象にリハビリを行います。

  

対象となる障害名や主な症状をまとめると下表の通りです。

  

【ことばの障害と主な症状】

言語聴覚士はこれらの「ことばの障害」を抱えるお子さんに対し、医師と連携し原因を特定し、それぞれにあった個別プログラムを計画・実施します。

 

具体的に言語聴覚士が小児に行う個別プログラムの一例は次の通りです。

【言語聴覚療法の一例】

  • 障害されている発声・発語器官の機能障害にアプローチ
  • (絵カードやおもちゃなど)お子さんに身近なものを使って、言葉の表出・聴理解ができるように促す

  

また、個別プログラムの実施だけでなく、保護者へのホームエクササイズ指導も治療効果をあげるためには重要です。

  

さらにお子さんが通う保育園や幼稚園、学校に向けて手紙を作成し、教員や同級生の理解を促すこともあります。

  

聴覚の障害

MSDマニュアル小児の聴覚障害によると小児の1.9%に聴覚の問題があるとしています。

  

声や音がききとりにくいなど「聴覚の障害」があるお子さんに対して、言語聴覚士は聴力検査を行い、結果によってはお子さんの補聴器の試用・選定をします。

  

また、補聴器の使い方を教えたり、保護者へ難聴を持つお子さんに関わる際のポイントを伝えたりするのも言語聴覚士の役割です。

  

摂食・嚥下の障害

摂食・嚥下とは食べ物を認識して、口から取り込み胃に至るまでの一連のプロセスです。

しかし、何らかの原因で咀嚼出来ず丸呑みしてしまったり、むせてしまったりして食べられないなど摂食・嚥下が上手く行えなくなることがあります。

  

言語聴覚士は摂食・嚥下障害を抱えたお子さんに、嚥下訓練や食べるための道具の工夫、食事姿勢を改善するための環境設定を行うほか、医師や栄養士と連携して食事形態の検討を行います。

  

高次脳機能障害

高次脳機能障害は、脳の損傷などが原因で注意障害や記憶障害が生じたり、感情のコントロールが難しくなったりするものです。

  

言語聴覚士は、注意障害を抱えるお子さんに対して文字や記号などを用いて注意力が続く時間を少しでも長くするためのリハビリを実施します。

  

また、記憶障害に対してはメモやチェックリスト、連絡帳を活用して記憶を補う方法を提案することも。

  

さらに高次脳機能障害では、個別リハビリだけでなく他のお子さんを交えた集団リハビリも重要です。

  

社会的スキルを磨き、他者との関わりの中で注意力や記憶力、感情のコントロールの総合的な改善が期待できます。

  

  

言語聴覚士が活躍できる小児領域の職場とは?

言語聴覚士が活躍できる小児領域の職場とは?

言語聴覚士が活躍している小児領域の職場には以下のようなものがあります。

  • 総合病院
  • クリニック
  • 訪問看護ステーション
  • 療育センター
  • ことばの教室

それぞれの施設の特徴をみていきましょう。

  

総合病院

総合病院はことばの障害・聴覚の障害・摂食嚥下障害・高次脳機能障害など、幅広く対応します。

  

来院するきっかけは乳幼児健診でことばの遅れを指摘されたり、保護者がお子さんのことばや耳の聴こえに違和感を覚えたりした場合です。

  

総合病院に勤務する言語聴覚士は検査・測定を行って、医師にリハビリの必要性を提案することが求められるため、幅広い疾患の知識とスクリーニング能力が必要になります。

  

また、継続的なリハビリが必要なお子さんに対しては、療育センターを紹介することも。

  

お子さんに適切な施設を紹介するためには、日頃から地域資源に関する情報を得ておくことも重要です。

  

クリニック

リハビリテーション科を標榜し、小児リハビリに力をいれているクリニックでは言語聴覚士も活躍しています。

  

総合病院に比べて言語聴覚療法が必要なお子さんが多く、症例も小児に特化していると言えるでしょう。

  

訪問看護ステーション

言語聴覚士は訪問看護ステーションに所属するケースもあり、自宅を訪問して小児のリハビリを行います。

  

自宅療養している医療的ケア児や重症心身障害児に対し、嚥下訓練などを行うケースが多いため、リスク管理能力や疾患に対する幅広い知識が必要です。

  

また、お子さんが安心して在宅生活を継続するために、保護者や医療機関、医師・看護師などの他職種との高いコミュニケーション能力も求められます。

  

療育センター

療育センターは障害のある小児がリハビリなどの治療や教育を受け、社会的に自立を目指す施設です。

  

言語聴覚士は所属する療育センターの医師や理学療法士・作業療法士、保育士と連携して、ことばや知的・発達障害を抱えるお子さんの成長を見守りながらリハビリに従事できます。

  

ちなみに施設の区分によって0〜6歳、6〜18歳と利用できる年齢が異なります。

  

ことばの教室

ことばの教室とは小・中学校に設置され、構音障害や吃音、学習障害、言語発達遅滞をもつお子さんに対して支援を行うところで言語聴覚士も活躍しています。

  

お子さんは普通学級に籍を置きながら週に数回通い、ことばの教室での授業も出席扱いです。

  

ことばの教室に在籍する言語聴覚士は、学校や保護者と連携してお子さんが勉強や友達との交流などで困らないよう支援します。

  

  

1日のスケジュール例|言語聴覚士・病院(小児領域)勤務

1日のスケジュール例|言語聴覚士・病院(小児領域)勤務

総合病院勤務(小児病棟専属)で勤務した場合の1日のスケジュール例をみてみましょう。

総合病院勤務では例のように小児病棟専属で勤務できる場合があります。

  

しかし、多くは小児だけでなく整形外科や神経内科などの成人患者まで幅広く対応する必要があり、「子どもの支援に集中して携わりたい」という人は小児専門のクリニックや療育センター、ことばの教室への就職を目指すとよいでしょう。

  

  

言語聴覚士は小児領域ではまだまだ少ない

言語聴覚士は小児領域ではまだまだ少ない

日本言語聴覚士協会の会員を対象としたアンケートによると、2022年4月1日時点での協会会員数19,789名のうち小児領域で働いているのは4,625名。成人分野で働く言語聴覚士のおよそ1/3にとどまります。

  

【会員が対象としている障害(複数回答)】

1999年に第1回言語聴覚士の国家試験が実施されてから今年で23年。

  

しかし、同じリハビリ職種の理学療法士・作業療法士の国家試験が1966年から実施されていることを考えると、言語聴覚士はまだまだ新しい資格です。

  

そのため養成校の数は現在でも不足しており、特に小児領域で働く人材はまだまだ少ないと言えます。

  

  

言語聴覚士の小児領域でよくある質問

言語聴覚士の小児領域でよくある質問

小児領域で働く言語聴覚士に関してよくある質問をまとめました。

  

【よくある質問】

  • 小児に携わる言語聴覚士になるにはどうすれば良いですか?
  • 言語聴覚士の小児領域でのやりがいとは何ですか?
  • 認定言語聴覚士の制度は小児領域にありますか?

  

質問の回答を順番に詳しくみていきましょう。

  

小児に携わる言語聴覚士になるにはどうすれば良いですか?

小児に携わる言語聴覚士になるためには、養成校を卒業し国家資格に合格して以下のような施設に就職する必要があります。

  

【小児に携われる施設】

  • 病院(小児科のある総合病院・クリニック)
  • 訪問看護ステーション
  • 療育センター
  • ことばの教室

  

ちなみに養成校には大学と専門学校があり、それぞれにメリット・デメリットはありますが、卒業して国家資格に合格できればどちらも同じ言語聴覚士。就職先に差はありません。

   

言語聴覚士の小児領域でのやりがいとは何ですか?

言語聴覚士が小児領域で感じるやりがいは「お子さんの発達・成長に個別に関わり、将来を左右するとても重要な役割を担う」ことです。

  

例えば「学校で友達ができた」「無事に進学できた」など、それまで言葉が上手く話せず、学校に行ったり友達を作ったりするのも難しかったお子さんの生活がリハビリを通じて大きく変わることがあります。

  

就学や進学はお子さんにとって将来を左右するライフイベントの一つ。そのため言語聴覚士はリハビリをするだけでなく、保護者や学校と連携してお子さんの環境を整えることも重要です。

    

認定言語聴覚士の制度は小児領域にありますか?

小児領域の認定言語聴覚士としては、2022年から新設された「吃音・小児構音障害領域」があります。

 

認定取得のためには、日本言語聴覚士協会の主催する「基礎プログラム」「専門プログラム」をすべて修了し「認定言語聴覚士講習会」を受講して試験に合格しなければなりません。

 

また、その他の「失語・高次脳機能障害領域」「言語発達領域」「聴覚障害領域」「摂食嚥下領域」の認定言語聴覚士も小児とは関係が深いため、自身のスキルアップのために興味のある分野から優先して取得を目指してみてもよいでしょう。

 

ちなみに「認定言語聴覚士講習会」を受講するには満5年の臨床経験が必要です。

  

  

まとめ:小児領域の言語聴覚士はやりがいがたくさん!

まとめ:小児領域の言語聴覚士はやりがいがたくさん!

今回は言語聴覚士が対象とする小児やリハビリの内容、活躍できる施設を紹介しました。

 

小児領域で働く言語聴覚士はお子さんの成長段階に関わり、将来を左右すること場面が多く、保護者や学校・教員と連携して周囲の環境を整える必要があり、障害を抱えるお子さんにとっては非常に重要な役割を担います。

 

また、子どもがリハビリに興味をもってもらえるように遊びの要素を取り入れたり、課題を工夫したりするなど、成人分野よりも柔軟な思考が求められますが、成長を一緒に見守ることができる分やりがいを感じることが多いでしょう。

 

小児領域の言語聴覚士として活躍できるのは病院以外にもさまざまな施設があり、まだまだ人手不足が指摘されています。

 

ぜひ本記事の内容を参考に、言語聴覚士として小児領域で働くことも検討してみてください。

企業への質問

この機能を利用するには、ログインが必要です。未登録の方は会員登録の上、ログインしてご利用ください。

この記事に関連するタグ

興味のあるタグをフォローしておくことで、自身のフィードに関連するセミナーやコラムを優先的に表示させることができます。 (無料会員機能。 登録はこちら )

執筆者の他のコラム