セミナー概要

開催日程

  • 日時: 2023/04/16 (日) 14:00 - 17:00

    開催場所: オンライン 講師: 北山 哲也先生

    【体性感覚の影響は非常に大きいので、体性感覚を考慮したリハビリができるようになることが大切】

    私たちは普段、とくに意識することなく、感覚を活用して生活しています。

    しかし、感覚の重要性を感じることがあります。

    例えば目をつむって立つとフラフラしますし、足がしびれた状態で歩くと簡単に転びます。

    足がしびれただけで、安定して歩けなくなってしまいますが、それほど感覚は重要です。

    感覚障害のある人が、どれだけ運動機能に影響があるのか、少し想像できるのではないでしょうか?


    それでは手はどうでしょうか?

    手が冷え切った時に感覚が低下したら、思うように手が動かせなくなりますが、そのような感じを想像してみると良いでしょう。

    このように、感覚低下は、運動機能低下(運動制御の質低下)に直結することが理解できると思います。

    患者さんは感覚障害のせいで、手足の不使用の学習が進んでしまい、ADLが思うように改善しない可能性が高くなってしまいます。

    セラピストはADL低下しないように、感覚の特性を正しく理解し、評価とアプローチをしていく必要があります。


    【どのように評価・アプローチ・効果判定をすれば良いのか?】

    リハビリでまず必要なのは、どの感覚がどの程度損なわれ、どの感覚が残っているのか、どのように運動に影響があるのか、などを正しく評価することです。

    これがADLの改善に向けて、効果的なリハビリをするためのベースとなります。


    そこで質問です。

    どのようなテストバッテリー(複数の評価指標を組み合わせ評価する)をしていますか?
    またどのようにアウトカム(最終的な結果の検証)を取っていますか?

    どの評価表を使う?
    効果判定の結果、どう改善する?

    これらをよく考えて、正しく行っていくことが、リハビリの基本であり、とても大切です。

    今回のセミナーでは、「感覚の捉え方」について論文やデータから得られた知見、臨床経験をもとに解釈や実際の症例検討、明日からの臨床が変わるように大切な考え方をお伝えします。

    皆様の日々の臨床のヒントになれば幸いです。

    ーーーーーーーーー

    講義内容予定)

    1)セラピストは対象者の「感覚」どのように捉えて、理解して、対応したらよいのか?
    2)感覚評価において、臨床的意味のある評価とは、どのようなものなのか?
    3)感覚入力とは具体的にはどのように行うのか?
    4)効率的活動を引き出すには何に着目したらよいのか?
    5)動作遂行時の質は、どのように捉えれば良いのか?
    6)運動学習のプロセスを対象者に積み重ねてもらうときの注意点は?

    ・感覚障害の頻度
    ・感覚障害の影響
    ・触覚の脳領域
    ・感覚障害へのアプローチ手法
    ・上下肢の位置覚と運動学
    ・姿勢制御に必要な感覚情報
    ・感覚の重みづけ
    ・Backward step の意義
    ・感覚障害の経過(急性期~12カ月後)
    ・エビデンス:感覚障害に対する介入効果は?
    ・ライトタッチ(求心性感覚入力)による身体動揺の調整
    ・足底の皮膚受容器の分布
    ・固有感覚障害で出現した問題
    ・感覚入力と把持力
    ・Handling (徒手的誘導)の意義

    ーーーーーーーーー

    講師:北山哲也先生(甲斐リハビリテーションクリニック 副院長(PT, MSc))

    学術活動としては神経疾患が専門分野。日本神経理学療法学会運営幹事、山梨県理学療法士会の理事として理学療法学の発展と後進育成に努めている。また、脳卒中片麻痺者に対する運動療法を最新の知見なども取り入れながら、臨床実践を通して伝える講習会・研修会の講師活動なども行っている。


    <略歴・資格など>
    1997年4月~2020年3月 山梨温泉病院(現:山梨リハビリテーション病院)
    リハビリテーション部 理学療法課 課長
    2020年3月 山梨大学大学院 医工農学総合教育部修士課程生命医科学専攻 卒業
    2020年4月 甲斐リハビリテーションクリニック 副院長


    医科学修士
    日本理学療法士協会 神経系専門理学療法士 / 脳卒中認定理学療法士
    IBITA/JBITA Bobath Bsic course instructor
    回復期セラピストマネージャー
    障害者スポーツ専門指導員初級
    福祉住環境コーディネーター2級


    日本神経系理学療法学会 運営幹事
    山梨県理学療法士会 生涯学習局長(理事)
    糖尿病理学療法ガイドライン作成委員
    IBITA Appeal and Grevans Committee


    <執筆図書など>
    ・高齢者けあ:「排泄介助に行う適切なアプローチ方法」日総研,2008年5月30日
    ・理学療法MOOK: 運動連鎖「姿勢調節メカニズム」文光堂,2011年4月 共著
    ・活動分析アプローチ:「失調症」青海社,2011年4月 共著
    ・重度障害者への活動分析アプローチ上巻:
    ・「起き上がり動作」「立位へのチャレンジ」青海社,2013年5月 共著
    ・ボバースジャーナル:「Task Analysis」2016年6月
    ・PTジャーナル:「日常生活動作における姿勢制御のアセスメント」医学書院,2018年3月号
    ・極める脳卒中の理学療法:「ラクナ梗塞における理学療法のポイント」文光,2018年11月 共著

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講師プロフィール

医科学修士 日本理学療法士協会 神経系専門理学療法士 / 脳卒中認定理学療法士 IBITA/JBITA Bobath Bsic course instructor IBITA Appeal and Grevans Committee 日本神経系理学療法学会 運営幹事 山梨県理学療法士会 生涯学習局長(理事) 糖尿病理学療法ガイドライン作成委員

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