眼球運動から「脳・神経・頚部」の状態を読み解き、斜位を「数値化」する
本コースは、臨床現場でより精密な評価と考察を行うための「診断力(見立てる力)」を養うことに特化しています。
解剖学的な知識だけでなく、「左右どちらの脳にアプローチすべきか?」「自律神経の状態はどうか?」を眼から判断するためのロジックを学びます。
【このコースで習得する4つのコアスキル】
1. 斜位・斜視の「定量化」技術:
LEVEL 1では「ズレがあるかないか」の判断(定性評価)が中心でしたが、本コースでは「どれくらいズレているのか(何プリズムか?)」を数値で明確にする定量評価を習得します。
・マドックスロッド法 / Modified Thorington法: 特殊なレンズと指標を使い、斜位量を「プリズムディオプトリー」という単位で正確に測定します。
・定量的カバーテスト: ペアワークを通じ、ツールがない環境でもカバーテストの眼球移動量から「およそ何プリズムのズレか」を目測で推測できるレベルまでスキルを高めます。
2. 脳機能の「局在診断」と視覚経路
コース2以降で行う「脳への選択的アプローチ」の土台となる神経生理学を学びます。眼球運動の種類によって、脳の司令塔が異なることを理解します。
・大脳皮質の左右差: 「サッケードは対側の前頭葉 」「パスートは同側の後頭-頭頂葉 」といった制御の違いを理解し、クライアントの眼の動きから「左右どちらの脳機能が低下しているか」を推測するマップを頭に入れます。
・視覚情報の入力ルート: 左右の視野がどのように交差(視交叉)し、脳のどの部位へ入力されるかを知ることで、狙った脳部位へ刺激を入れるための理論武装を行います。
3. 自律神経と「涙」の深い関係
「涙」は単なる水分ではありません。視機能と自律神経をつなぐ重要な鍵です。
・涙液と視機能: 涙液層が均一でないと、角膜のレンズ機能が低下し、視力が不安定になります。
・自律神経による二重支配: 涙腺は交感神経と副交感神経のバランスで制御されています。ストレスや交感神経過多がいかにしてドライアイを招き、それがさらに視覚的な緊張を生むという「負のループ」のメカニズムを解説します。
4. 眼から読み解く「全身状態(神経・頚部・脳)」
眼球運動は、単なる目の動きではなく、全身の神経状態を映し出すモニターです。
・頚部機能の評価: 眼球運動と首の回旋を組み合わせた検査(SPNTなど)を行い、首の深部感覚や緊張が眼球運動にどう干渉しているかを評価します。
中脳・橋・小脳のスクリーニング: 眼球運動の滑らかさや速度、正確性から、脳幹や小脳といった中枢神経系のどのレベルにエラーがあるのかを把握する方法を学びます。
開催日程
日時: 2026/06/06 (土) 09:45 - 12:45
参加費: 外部決済 講師: 後藤 玄
日時: 2026/06/06 (土) 13:45 - 16:45
参加費: 外部決済 講師: 後藤 玄
「空間認知」を変えて、脳の防衛反応を解く
「マッサージをしても痛みが戻る」「姿勢指導をしても定着しない」。その原因は、筋肉ではなく、脳の「空間認知エラー」にあるかもしれません。
本コースでは、現代人に多い「中心視偏重(一点凝視)」の状態から、空間全体を捉える「周辺視」を取り戻すことで、脳が感じている恐怖や不安(防衛的緊張)を解除するアプローチを学びます。
【このコースで習得する4つのコアスキル】
1.「見えているつもり」の脳科学
中心視と周辺視: 詳細を見る「What系(腹側経路)」と、空間や動きを感じる「Where系(背側経路)」の役割分担を理解します 。
・トンネルビジョンと筋緊張: ストレスや痛みが視野を狭め、狭い視野がさらに交感神経を刺激して体を固める…という「負のスパイラル」のメカニズムと、それを断ち切るための呼吸法を習得します。
2. 脳の「左右差」と姿勢の偏り
・大脳半球の機能差: 左脳は局所、右脳は全体」といった脳の特性を知り、クライアントの姿勢や動作の癖から、左右どちらの脳(および視野空間)への注意が不足しているかを推測します。
・片側無視への介入: 無意識に片側の空間情報をシャットアウトしてしまっているケースに対し、眼球運動や刺激入力を使って左右バランスを整える手法を学びます。
3. 利き眼の特性とコントロール
「右利きだから右目が利き目」とは限りません。また、検査方法によって結果が変わることもあります。 本コースでは、複数のテストを用いて「真の利き眼」を特定し、強すぎる利き眼が引き起こす「中心感覚のズレ」や「身体のねじれ」を修正するアプローチを学びます。
・多角的な利き眼テスト: 利き眼判定はエラーが起きやすいため、一つだけの検査では不十分です。「穴あきカードテスト」「NPCテスト(輻輳近点)」「ローゼンバッハテスト」「Dominance Wand」など、特性の異なる複数の検査を組み合わせて正確に評価するスキルを習得します。
・主導権を取り戻す: 利き眼が強すぎると、脳内の身体地図(中心感覚)がズレてしまい、平衡感覚との不一致が生じます 。生理的複視(空飛ぶソーセージ現象など)を利用したトレーニングを行い、過剰な優位性を抑制して、両眼を均等に使うための「脳の再教育」を実践します。
4. 動きの中での視覚統合
・オプティックフロー: 歩行や運動中に流れる景色(視覚情報)を正しく処理できているかを評価し、ビームウォークやジャグリングなどの課題を通じて、動的な環境下での空間認知能力を高めます。日時: 2026/06/07 (日) 09:45 - 12:45
参加費: 外部決済 講師: 後藤 玄
「ブレない軸」を作るための、3つの感覚統合システム
姿勢を制御しているのは、筋肉だけではありません。「目(視覚)」「耳(前庭覚)」「体(体性感覚)」の3つのセンサーからの情報が、脳内で正しく統合されて初めて、私たちは無意識に安定して立つことができます。
本コースでは、これら感覚システムの不一致(ミスマッチ)を解消し、「小脳」や「脳幹」レベルでの姿勢制御を書き換えるアプローチを学びます。
【このコースで習得する4つのコアスキル】
1. 感覚の「重み付け」
私たちは状況に応じて、どの感覚を優先するかを瞬時に切り替えています。
・視覚依存からの脱却 : 不安定な足場や暗闇でふらつくのは、視覚に頼りすぎている証拠です。視覚情報を遮断したり、逆に過負荷をかけたりすることで、眠っている「深部感覚(プロプリオセプション)」を呼び覚ますトレーニングを行います。
・リファレンスセンターの構築: 足裏のアーチ、ハムストリング、横隔膜、舌の位置など、身体の「現在地」を脳に伝えるための重要なセンサー(リファレンス)を再教育します。
2. 姿勢制御の神経メカニズム
脳から筋肉への命令ルート(下降路)には、「意識的な運動(背外側系)」と「無意識の姿勢制御(腹内側系)」の2種類があります。
・腹内側系への介入: コアスタビリティや抗重力筋を支配する「前庭脊髄路」や「網様体脊髄路」を活性化させ、意識しなくても勝手に良い姿勢が保てる状態を作ります。
・小脳のフィードフォワード制御: 動作が遅れる、距離感が合わない(測定障害)といったエラーに対し、小脳の運動学習機能を高めることで、スムーズで予測的な動きを獲得します。
3. 前庭システムの評価と統合
「めまい」や「乗り物酔い」だけでなく、慢性的な首こりや姿勢の歪みも、前庭機能の低下が原因かもしれません。
・三半規管と耳石器: 回転や傾き、加速を感じるセンサーの仕組みを理解し、頭を動かしても視界を安定させる「前庭動眼反射(VOR)」や、首を安定させる「前庭頚反射(VCR)」の機能を評価・改善します。
・ストレートネックの真因: 前方視を確保するために頭部が前に出る(あごが上がる)姿勢が、いかにして前庭機能や小脳の働きを低下させているかを解説します。
4. 統合トレーニングの実践
バラバラになった感覚を一つにまとめ上げます。
・マルチタスク・トレーニング: バランスボードに乗りながらのキャッチボールや、計算課題(デュアルタスク)を行い、無意識下での姿勢制御能力を極限まで高めます。
インフィニティーウォーク・CPG: 歩行しながらの視線移動や頭部回転を組み合わせ、歩行リズム(CPG)と感覚システムの連動性を強化します。日時: 2026/06/07 (日) 13:45 - 16:45
参加費: 外部決済 講師: 後藤 玄
「自律神経」と「視覚」をリンクさせ、脳から緊張を解く技術
「力を抜いて」と言っても抜けないのは、視覚性のストレスが自律神経(交感神経)を刺激し続けているからです。
本コースでは、スマホ社会特有の「近見反応」による過緊張を解き、静止状態(スタティック)だけでなく、動いている最中(ダイナミック)でもリラックス状態を維持するための「脳の再教育」を行います。
【このコースで習得する4つのコアスキル】
1. 視覚性緊張と自律神経
なぜ近くを見続けると首や肩がこるのでしょうか?
・近見反応のメカニズム : 近くを見る時に起こる「輻輳(寄り目)+調節(ピント)+縮瞳」の連動が、いかにして全身の屈曲・緊張パターンを引き起こすかを理解します。
・AC/A比と眼精疲労: ピント調節1に対して、どれだけ眼が寄るか」の比率(AC/A比)には個人差があります。この比率を知ることで、クライアントが「疲れやすい目の持ち主」かどうかを見極めます。
2. 痛みと感情のコントロール
「痛み」は単なる感覚ではなく、脳内で作られた「情動(感情)」です。
・上行性疼痛抑制系: 「楽しい」「心地よい」という感情(ドーパミンやβエンドルフィン)を利用して、脳内麻薬様物質を分泌させ、痛みを抑制するメカニズムを学びます。
・表情と筋緊張: 「しかめっ面」が脳にストレス信号を送るフィードバックループを断ち切り、表情筋から全身の緊張を解くアプローチを実践します。
3. 「パーミング」の技術について
単に目を閉じるだけでは、視神経は休まりません。
・「完全な黒」を見る技術: 手のひらで光を遮断し、脳内で「真っ黒」をイメージすることで、視神経を強制的に鎮静化させる「パーミング」の奥義を習得します。これができると、眼精疲労だけでなく全身の痛みが軽減します。
・リラクゼーションの深化: 黒以外の色(幻影)が見えてしまう理由と、それを乗り越えて深いリラックス状態に入るためのステップを学びます。
4. ダイナミック・リラクゼーション
・「スウィング法」: 身体を回旋させながら視界を流すことで、固視(一点凝視)の癖を取り除き、動きの中で視覚と全身を同調させるテクニックを実践します。
周辺視野と呼吸: 視野を広げ、ゆったりとした呼吸と連動させることで、副交感神経を優位にする「ゾーン」の状態を意図的に作り出します。
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実際の評価から治療内容見せていただけたらうれしかったです。