もうすでに新しい国際スポーツ脳振盪会議の共同声明が発表されてから1ヵ月以上経ち、アスレティックトレーニング学会でも取り上げられていましたが、SCAT6/Child SCAT6で変更された点を私なりに忠実に翻訳して、ココが変わりましたよ、とお伝えする回になります。
ここで誤解のないように説明させていただきますが、まだ英語版しかないSCAT6の使用を推奨したいわけではありません。英語での評価シートを使用して日本人対象にSCATを取るのは無理がありすぎるので、それは全くお薦めしていません。また、アムステルダム声明の日本訳も必ず発表されます。いつになるのかはわかりませんが、それは必ずされるので、日本ではそちらが正式なものになってくるかと思います。今回は、あくまで変更点の内容をお伝えする回になります。
上記した点を踏まえて、「英語は少し苦手なので翻訳してくれたものでアップデートしたい」「翻訳ソフトもあるけど、結局手間と時間がかかるし面倒なのでまとめたものを聞きたい」という方がいらしたら是非受講してください。
また、私はSCAT3を使用していた時から悩んでいたテストの内容等もありました。その項目も今回SCAT6ではアップデートされていたのですが、多くのアスリート、一般の患者さんにSCATを実施してきた経験や、またSCAT6に関しても、今まで自分も含めて何名かに実施してきたので、その感想もお伝えできるかと思います。
少しお話させていただくと、SCAT3では、つぎ足歩行が4回行うようにインストラクションとしては書かれていますが、クリニックのようなスペースや時間に制限がある状況だと、そもそも実施できていませんでした。また、タイムとエラーの数を記載するのですが(SCAT5では1回実施に変更。またタイム記録はなしに変更)、それらの情報をどのようにリハビリに活用するのかと考えた時に、特別重要な情報を得られていたわけではなかったので、マストの項目にはしていませんでした。一言で言うとコスパがめちゃ悪いテストでした。エビデンスがしっかりあって、エラーの数やタイムが脳振盪後の回復に完全に反映されるなら優先順位も高いのですが、性格的な要素によってタイムもエラーの数も影響を受け、また、特に現場ではテストの実施条件を統一しにくいなどの懸念事項もあり、どれくらいこのテストを信頼して実施するべきか悩んだ時期もありました。
毎回お伝えしますが、SCATが実施できるようになることが目的ではなく、患者さん・選手の脳振盪後の状況を把握することがテストを実施する目的です。その大儀を外さないようにして全てのテストを考えて実施しているので、私個人の意見になる部分もありますが、過去の経験からの参考程度に聞いていただければ幸いです。
興味ある方は是非受講をご検討ください。
開催日程
日時: 2023/08/14 (月) 20:30 - 22:00
参加費: 外部決済 講師: 中本 真也
留意事項
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講師プロフィール
カナダ公認理学療法士 2010年にアルバータ州立大学理学療法科修了後、エドモントンのスポーツクリニックで勤務。NHLのエドモントンオイラーズや北米独立リーグでも活躍。アイスホッケー、フットボールが盛んなカナダではよく起こる脳振盪。セラピストとして、当たり前に評価・マネジメント・リハビリテーションができないといけない状況で得た経験・知識を日本でも広めるため活動中。
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