サプリメントの落とし穴 ~その使い方は本当に大丈夫?~

Personal Body Management株式会社トレーナー兼管理栄養士の吉村俊亮です。
クラアントや患者さんをチームでサポートするにあたって異業種のスタッフ間連携はとても大切になるかと思います。
その中で、チームスタッフの一員として存在する管理栄養士がどんなことをする人なのかを知らない人も多いかと思います。
今回は本題に入る前にまずは栄養士業界についてご紹介いたします。

1.管理栄養士・栄養士について

管理栄養士・栄養士とは、『栄養と食』の専門職として、人々の食の営みを支える仕事になります。
病院で働いているイメージが強いかもしれませんが、企業の商品開発であったり、スポーツチームや選手についていたり、学校で栄養教諭として働いていたりと、働いている場所はとても多く、その場所によって栄養の中でも専門分野が分かれています。
病院であれば臨床栄養、給食会社であれば献立作成や調理、学校であれば児童生徒の食育、スポーツ関係であればスポーツ栄養といった感じです。
一概に管理栄養士・栄養士といっても、その人の現場経験などによって『栄養と食』に関する専門分野が違います。

また、管理栄養士と栄養士はともに国家資格になりますが、管理栄養士は国家試験に合格することが必要で、厚生労働省大臣が認めた知識や技能を持ち合わせた栄養のプロを証明する資格になります。
また、栄養士は養成校を卒業することが必要で、都道府県知事が認めた食生活のアドバイザーとしての信頼を証明する資格になります。

2.サプリメントの役割

サプリメントは栄養補助食品とも言われ、言葉の通り「足りない栄養を補うための助けとなる食品」になります。
つまり、あくまでも補助として使用するものであって、メインの食事に変わるものではありません。
最近では、多種多様なサプリメントが出回っており、どれを選択すべきかに悩んでしまうぐらいです。

3.サプリメントのエビデンス

サプリメントは効果として科学的に証明されていないものが多く、そのサプリメントを摂取するとあたかも効果があるように売り出されているものも珍しくありません。

例をあげると
・DHA(ドコサヘキサエン酸)
DHAは高コレステロールなどの心臓発作のリスク因子を防ぐこと効果があるとされている栄養素です。
確かに、高コレステロール血症の方が1日に1.2~4.0㎎のDHAを摂取することで中性脂肪の値が低下することが示唆されています。
しかし、LDLコレステロールの値は増加する可能性があることも示唆されています。
脂質異常症に効果的といっても、LDLコレステロールが高い人には、他の疾患のリスクが上がることもあるので、注意が必要です。
また、高血圧の方で降圧薬を飲んでいる場合、DHAの服用で血圧が下がりすぎてしまうこともあるので、これについても注意が必要です。

・HMB(β-ヒドロキシ-β-メチルプレート)
HMBは筋肉づくりのためのサプリメントとして流通していますが、健常者に対しての効果は科学的に証明されていません。
HMBの効果の可能性が科学的に示唆されているのは、HIV患者の体重や筋肉の増加についてです。
ただ、健常者でもそういった効果が考えられるため、トレーニング期間中のサプリメントとして流通しています。

・MCT(中鎖脂肪酸)
MCTは部分化学合成された脂肪で、最近よく見聞きする栄養素の1です。
一般的に言われているのは、エネルギーとして使用されやすいため、アスリートやダイエットをしている人に勧められていますが、実際には、科学的なデータは不十分です。
現時点で効果の可能性が科学的に示唆されているのは、重病患者に見られる筋肉の衰えの予防です。
アスリートの運動時の栄養補給や体脂肪の減少、筋量の増加などは科学的なデータが不十分です。
また、基本的にMCTは肝臓病や糖尿病の人は摂取を避けていただきたいです。

今回は一例をとして3つほど挙げていますが、良いところだけを課題に伝えている場合も多かったり、あたかも科学的に証明されているかのように伝えている場合もあるため、使用する前にしっかりと調べる必要があります。

4.一部の栄養素を過剰に摂るリスク

栄養素の摂取不足による欠乏症があるように、摂取し過ぎによる過剰症もあります。
サプリメントを摂取した場合、一般的な食品からの摂取では有り得ないぐらいの量の栄養素を摂取してしまうため、過剰症にも気を付けないといけません。
また、一部の栄養素を過剰に摂取することで、相互バランスが崩れて、他の栄養素の欠乏が起こることもあります。

例えば、ビタミンの一種である葉酸は、細胞分裂の際に必要となるビタミンですが、ビタミンB₂の過剰摂取により、細胞分裂が阻害される可能性があります。
また、糖質代謝の効果があるビタミンB₁を過剰摂取した場合、脂質代謝の効果があるビタミンB₂の排泄量が増加することが分かっています。

このように、それぞれの栄養素は、何か一つだけに偏って摂取してしまうと、体にはマイナスの効果が出てしまうため、バランス良く摂取することが大切になります。
サプリメントを使用すると、相互バランスが崩れてしまう恐れがあるので、使用時はお近くの管理栄養士に相談の上、摂取を考えてみてください。

5.サプリメントの選び方

サプリメントの使用を考えるときにまず考慮することは、現在自分がその栄養素をどれぐらい摂取しているのかです。
不足していて、これからも摂取できる見込みがない場合は、サプリメントは使用するべきだと思いますが、もしそうでない場合は使用しない方がデメリットを大きくしなくて済みます。

では、使用する場合、サプリメントはどのように選べばよいのでしょうか?
下記の図を参考にされてください。


(健康・栄養食品アドバイザリースタッフ・テキストブック (第一出版) 第3版 p332 より引用)

上記の図を参考にし、本当に信頼のできるサプリメントなのかを判断したうえで選択をしていただけると良いかと思います。

6.まとめ

現代のサプリメントは多種多様であり、効果が期待されているものから、期待されていなものまで多く存在します。
サプリメント使用を考える前に、まずは自分の摂取している栄養素の量をお近くの管理栄養士に算出してもらったうえで、サプリメントの摂取が本当に必要かを考えてください。

不必要に摂ってしまうと、他の栄養素との相互バランスが崩れて体にはマイナスの面が大きくなってしまいます。
また、その栄養素自体に科学的な根拠があるのかを調べる必要もあります。

企業が記載しているままの効果が果たして期待できるものなのか、または自分にとって大きなデメリットが存在しないかを調べる必要もあります。
分からなくなれば、サプリメントに精通している管理栄養士や薬剤師、医師などに相談していただけると良いかと思います。

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Personal Body Management株式会社
http://pbm555.com/

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