治療からセルフケア、その先へ ~ 「信頼に始まり信用に終わる」の実践

1.不安なクライアントにどのように対応するか?

今回は前回ご紹介した私の臨床において意識している「信頼に始まり信用に終わる」をより具体的に皆さんにご紹介したいと思います。

皆さんは「何が異常で調子が悪いのか分からずに不安なクライアント」が来られた際、どのような対応をされるでしょうか?

その方法は多岐にわたるかと思います(以前私がコラムでご紹介したように、何でも良いがどうでもよくない理論です)が、今回は私がアプローチを行う際の流れの一例を下記にご紹介したいと思います。

まず最初に重要なのは、クライアントが受けていて何をされているのかわかりやすい治療を行うことです。例えば、「硬くてゴリゴリしているところを押えると痛い!でも効いている感じがする。」とクライアントが感じれるようにアプローチを行います。

すると、「次第にゴリゴリが少なくなると痛みが減って症状も楽になる」とクライアント自身が感じてくれるようになるので、そのタイミングで自分で効いている感じを再現できるようセルフケアのアドバイスを行うようにしています。

日常生活の中において、疲れると痛みがぶり返すがセルフケアをすると楽になるという経験をクライアントが重ねることで悪化と緩解に慣れ、変化を読めるようになってきます。

つまりは、クライアント自身に症状をコントロール出来るという自信が芽生え、気持ちに余裕が持てるようになるということです。

2.治療の選択肢をクライアントの状況を見ながら勧めていく

ただし、症状に近いところだけのケアでは、効果の持続が乏しいことを治療家もクライアントもしっかりと理解しておく必要がありますが、一度に多くの情報を与えるとクライアントが戸惑ったり、逆に継続できなかったりするので、実行可能なものから選択して実施する(各専門職への紹介も含める)ことをお勧めいたします。

選択としては下記のようなものがあげられます。
・より影響の大きい部位をケアする
・弱いところを鍛える
・使い方を変える
・作業環境を変える
・栄養に注意する
・睡眠をはじめとした生活リズムを見直す etc.

一つ一つクライアントに寄り添いファシリテートすることで、クライアント自ら選択するということが主体性の回復へとつながってきます。

3.まとめ

・効果の持続と共に自信を深め、不安がなくなり、安心できるようになっていく
・喉元過ぎればセルフケアなどを忘れてサボり出し、やがて再発して初心(初診)に返る
・サボるくらいの心理的余裕を獲得できればまずは良しとする

次回は、皆さんが特に関心があると思われる「痛みを伴う治療を行うこと」に関してご紹介いたします。

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